桜花散恋
「「「・・・・」」」
私が話し終わると、呆然としている人、あからさまに怪訝な顔をしている人、無表情、とさまざまな反応が見て取れた。
沖田さんは最初びっくりした顔をしたけど、あとからは興味深そうに私をみてにこにこしていた。
土方さんは、一同の沈黙の中、ふと息をついた。
「つまり・・・てめえはこの時代よりずっと先の未来の人間で、わけのわからぬうちにあの場所にいて、目の前で辻斬りがあった、と」
「は・・・はい」
ああ、本当に私、頭いかれてるとか思われたかも。そりゃあ、そうだよね・・・・。
「土方さん、こいつの言ってること信じるんですか?長州からの間者とかいう可能性だってあるじゃん」
「平助」
「・・・・」
平助と呼ばれた、幹部隊士の中でも若い、同い年くらいの男の子が私を指さして言った。
土方さんがそれを咎める。
「・・・トシ、とりえず、古雅君を屯所においてあげることはできないだろうか?」
「近藤さん?!」
平助という人がびっくりして声を上げる。
ずっと黙って私の話を聞いていた近藤さんがやっと口を開いた。