桜花散恋

巡り逢い









時は幕末。







京の都はいつもと変わらず、幕府側と攘夷派の対立で緊張しきっていた。


まだ肌寒い4月の晩。







「土方さん、疲れてません?もう歳だから少し歩いただけでも体に障るでしょ?」


「無駄口叩いてねえでさっさと歩け!てめえに心配されるほど歳くってねえよ」





そんな街中を浅黄色の隊服を着た男が二人、歩いていた。




「しっかし、何が嫌で土方さんと街中を歩かなきゃいけないんですか?ただでさえ新選組は恐れられてるっていうのに・・・・
隣に“鬼”がいたんじゃみんな逃げちゃうじゃないですか」




そうぼやくのは――・・・





新選組一番組組長、沖田総司。







「総司っ!!・・・てめえ・・・・」




その隣にいる男は――・・・





新選組副長、土方歳三。


















< 2 / 84 >

この作品をシェア

pagetop