桜花散恋
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よく晴れた日のことだった。
朝餉のあと、洗濯物を終えて道場の近くを通りかかった時―――
「くそっ・・・!!」
「へへーん!お前それでも本当に幹部か?」
「今日はたまたまだろ?!この間は俺が勝ったし!」
「負け犬の遠吠えは見苦しいなぁー・・ね、八番組組長?」
「おいっ!てめぇ・・!」
起こっているような・・・藤堂さんの声と、若い同じ年くらいの男の子の声。
「もう一回やるぞ!」
「いいぜ?けど今日は何回やっても同じだと思うけどな」
「やってみなきゃわかんねーよ!」
「(・・あれ、藤堂さんって足を怪我してたような・・・!?)」
先日、ひどく腫れていた足を思い出し、声がした方へと向かう。
道場の横に声の主はいた。
「っ・・・!!」
「どうした?もう終わりか?」
「まだまだ!!」
道場の外には顔をしかめて見るからに苦戦している藤堂さんと・・・
初めて目にする・・同じ年くらいの、平隊士の人がいた。