桜花散恋
「・・・葉月ちゃん?」
じっと彼を見ていると、首をかしげる彼。
「・・國弘さん、私の兄に似てるなって思って」
「葉月ちゃんのお兄さん?」
しばらく見ていて気づいた。
彼は、どこか私のお兄ちゃんに似ている。
そっくりじゃないけれど、どことなく面影がちらつく。
懐かしい気分になって少しだけ口元が綻ぶ。
そんな私を見て、つられたのか、國弘さんは笑って言った。
「俺に妹がいたらこんな感じなのかな?」
笑って目を細める仕草は、本当にお兄ちゃんみたいで。