桜花散恋






「こりゃひでえな」




二人が見つけた死体は二体。


首はとび、胴体部分にも、何度も刺した痕がみられた。


「悪趣味だなぁ・・・これ、僕達じゃどうもできないですよね。山崎君に頼んだほうがいいんじゃないですか?」

「ああ、そうだな」




土方が、せめて自分にできることを、と、死んでしまった二人の目を閉じてやった。



そのとき―――・・・



ガサッ・・・!!


「「!!」」




近くの物陰から物音がした。
同時に沖田が刀をかまえる。



「「・・・・」」




しかし、物音のしたほうから動く様子はなく、気配だけがそこにあった。



しかし、それが殺意を持って隠れた何か―――・・・

浪士や武士ではないということは長年死線に立ってきた土方と沖田にはわかっていた。


目配せだけしてその気配に近寄る。


用心のため、刀を抜く用意をして物陰へと飛び出す。



「やっ・・・!」

「!?」





刀を突き付けた、その相手は・・・







恐怖に怯え、縮こまった小さな少女だった。









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