桜花散恋




「えっと……これで最後だよね」




薄い和紙に、お梅さんの綺麗な字で書いてあった買ってくるものは今行った店で全て揃った。

お梅さんの幼なじみの人が切り盛りしているところで、前回街に出たときに顔を合わせてたから、「おまけしとくわね」と、サービスしてもらった。





「さてと……帰ろう」




季節は11月半ば。


時計がないから時刻はよくわからないけど、だんだん沈み始めていた夕陽に、夜が近づいていることを知らされる。日が沈んでしまえばすぐに真っ暗になってしまう。荷物を持ち直して来た道を帰る。





「?……あれは」




しばらく川沿いの道を歩いていると道の先。


赤い花をつけた木がいくつか並んでいるのを、佇んで見上げている人影が夕陽に照らされて伸びている。あれは、




「・・・斉藤さん?」









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