桜花散恋

「・・・ところで、君はいいの？」

「はい？何がですか？」

「土方さんとその凛って子のこと」

「・・・・・言ってる意味がよくわからないです」

「・・・・隠し通すつもりなんだ」

「・・・なんのことですか？」

「・・・・・・」

「・・・？」

「・・・・はぁ」

「え？！」




沖田さんが不意に私を見て薄く笑って言った。
いいの？って・・・・・なんのことだかさっぱりわからなくて首を傾げたら沖田さんが目を丸くしてしばらく私の顔を見つめてため息をついた。


わ、私何かしたかな？！




「沖田さん・・・・、あの、私、」

「・・・いいんだけどね、君がそういうつもりないのなら」

「そういうつもりって、どういうつもりですか？」

「さぁ？それは自分で考えてみるといいよ」

「えぇー・・・・・」



沖田さんは呆れたようにそう言って歩き出す。私は沖田さんの言葉の意味を知りたくてしつこく聞いたけど、沖田さんはすまし顔。




「・・・・教えてくれないんですか？」

「だって僕が教えても意味ないから」

「うぅー・・・沖田さんの意地悪・・・」

「別に意地悪でいいよ。鈍感な君が悪いんだから」

「・・・・私って鈍感ですか？」

「うん。まぁ、平助とか幸親に比べればましかな」




沖田さんの話がどんどんわからくなって頭に疑問符を浮かべることしかできない。




「・・・いいんじゃない？いつか君でも気づくよ」



笑いながらそう言った沖田さんは用事があるから、といってその場を去っていった。




「・・・・・なんだったんだろう」




それでも私は沖田さんの言葉が気になって一人でたたずんでいた。