桜花散恋
「葉月ちゃんは、辻斬り、見ちゃった?」
少女が悲痛そうな表情をして頷く。
「・・・土方さん、とりあえず葉月ちゃんを屯所につれていきません?」
「あ?」
「このままここに葉月ちゃんを置いたままにするのは・・・さすがに可哀想だと思うんですけど」
辺りは未だ流れた血や断たれた肉の匂いが漂っていた。
とてもじゃないが、正気でいられるような場所じゃない。
「そうだな。・・・立てるか?」
「は、い」
「(へぇ・・・)」
土方が差し出した手をおずおずと掴む葉月。
そんな光景を、沖田は意外そうにして見ていた。