エリートな貴方との軌跡
最後にアイブロウブラシで全体を撫でたあと、肌に触れるパフとは違うパフで押さえた。
「こうするとね、崩れ防止になるの」
されるがままに感心する私を笑いつつも、リリィの手はさらにスピードが速まっていく。
NARSのマルティプルのハイライトカラーを取り出し、それをハイライト箇所へつけた。
有名なこの品は瑞穂が御用達のブランドで、私もパウダー・チークは持っていたりする。
「ハリウッドスターはコレを全身のどこでも使うのよ。ちょっとだけ立って?」
「うん、…ってええ!」
そう言ってカバーのためのケープを取り払い、徐にドレスのファスナーを下げられた私。
「やーんマホ、細くてエロいわぁ」
ベッドで寛いでいた彼女の声色と鏡越しのグリーンの瞳もまた、やけに嬉々としていた。
私ひとりがドレッサーの前に立ち、リリィとジェンはニヤニヤしながら話しているのだ。
「良いよねぇ。アジアの子は肌が綺麗って、姉も言ってたの」
「そっかぁ、これをシュウが夜な夜な楽しんでるワケねぇ。
この“半端”な脱がせ加減、リィが男のツボとかいうのに納得したわ」
「うっそ!カレに聞いてみる」
「…2人とも、ソレは良いから」
背中辺りまでファスナーは下がり、肩を剥き出しにされてブラもチラチラと見えている。
それを同性の美人2名に背後から視姦される、…外国で経験しなくて良いオプションだ。
「あ、そうだった。時間ないから急ぐわ、ドレスにつかないようにもう少し下げるね」
「はーい…」
「きゃーマホ、いいわセクシーよ」
豊満ボディな彼女たちを前に、貧相な身体を披露してしるけれど“旅の恥はかき捨て”。
マルティプルをデコルテから胸辺りまで伸ばすリリィに、ジェンは私も触りたいと言う。
騒ぐ彼女をサラッと流しながら、それを馴染ませたあとにボディ・パウダーで押さえた。
ふわり、と漂う香りの良いこれはシャネルのいつかの限定品で、私も持っていたりする。