エリートな貴方との軌跡
2年の別離を経て、ようやく再会出来た彼への気持ちが日増しに膨らんでいて。
自分でも戸惑っているくらい、ドキドキが止まらない・・・
コツコツとヒール音を鳴らして、出入り口のドアへ向かおうとすれば。
「真帆、ちょっと待った」
「ん・・・?」
愛しい声に呼び止められると同時に、後ろからスッと手で引き寄せられて。
肩に手を置かれて向き直されると、ダークグレイの優しい眼差しと合致した…。
「修平さん…、どうしたの?」
大好きな声色で名前を呼ばれたから、当たり前のように呼び返して尋ねる。
「リップ持ってる?」
背の高い彼らしい、少し首を傾げてこちらを窺ってくる様にドキドキしつつも。
「へ…、どうして?」
不意な問い掛けの意味が分からなくて、私まで首を傾げてしまった。