エリートな貴方との軌跡
なんで突然、リップ・・・?
「松岡にバレるから」
すると彼は私の首へと長い腕を回して、キスする寸前まで距離を縮めてくる。
「えっ、うそ…!」
此処でようやく、キスの激しさで禿げているらしいルージュに気づいて。
知らずに仕事へ戻ろうとしてた自分の間抜けさに、顔が自然と熱くなる…。
「今度からポケットに入れといて。
アイツの捜査を掻い潜るの…、意外とスリリングだったり?」
「なっ、修平さんのバカ…!」
その恥ずかしさを隠すように睨んだのに、甘い攻撃を受けて撃沈させられる。
「フッ…、そうかもなぁ。
俺は親バカならぬ、“真帆バカ”だし――?」
「ッ――!」
クスクス笑う彼がさす“アイツ”とは、松岡さんの事だけれど。
耳元でワザと囁かれた言葉が、さらに私の鼓動を高ぶらせてしまって。
仕事中にチラりと、イジワルさを覗かせる修平さんには勝てないかも・・・