エリートな貴方との軌跡
表すなら“冷と温”という対極するモノ…、だけれど波長はピタリと合点して。
公にはしていなくても、絵美さんと松岡さんの間に流れるモノは憧れだね…――
「あー、思い出しただけでムカつく…!」
「ハイハイ、触らぬ“大神”に祟りなし――
あーいうヒトにはね、暴力も正攻法も効かないから」
何かを思い出して怒る絵美さんに、寒いダジャレを淡々と発した松岡さん。
「は?どういう意味よ?」
「まぁ、ねぇ…」
彼女をあしらっているようで、上手く上昇途中で制する様を見つめていれば。
「だから真帆ちゃん…、ココは素直に甘えた方が良いよ?」
「え、はぁ・・・」
突然にこちらへと視線を向けたスマイルキラーの言葉に、首を傾げつつも頷く私。
「いつまで、勿体ぶった言い方すんのよ…!」
「ていうか…黒岩さんが絡むと、すこぶる怖いからさー。
此処は安心して、“真帆バカ”へ身を投じるのがベストなの」
「ま…、真帆バカ…!?」
絵美さんの苛立ちをスルーしての発言に動揺し、思わず私は復唱してしまう…。
「…何処で仕入れたんだ、ソレ――」
「・・・ッ」
そんな私を引き寄せたまま、フゥ…と軽く溜め息をついた修平にドキリとすれば。
「さー、風の便りに…?」
何とも混ざり合わぬ空気感の中で、スマイルキラーはニヤリとほくそ笑んだ…。