エリートな貴方との軌跡
そもそも私が、修平さんに勝てる節なんて何処にも見当たらない。
どんどん好きになって、愛しさが募っていくから…――
「松岡さん、こちらも併せてお願いします」
部内へ戻った私は指示されていた書類に、成分表をプラスして提出した。
「了解・・・“今日も”遅かったね?」
「…そんなコトありませんよ?
サンプル品をじっくりと検査されただけです」
ほくそ笑みながらソレを受け取った彼は、今日もまたガサを入れ始めて。
「…くちびる」
「ッ――!」
「腫れてるけど、どうかした…?」
ポツリと呟かれたフレーズが、簡単に私の言葉を失わせてしまう。
「な、何もないですよ…?」
慌てて取り繕うように、視線を逸らして否定する外ないけれど。
「あー、ショック・・・
妹がエロい雰囲気出すと、チョッと対応困るなー」
「なっ、至ってフツーじゃないですか!
オヤジ発言しないで下さいよ、もう…」
ニヤリと笑う彼はやはり、スマイルキラーの代名詞がよく似合う…。