GAME
「対戦するゲームは俺がソフトを持ってきた四種類のゲームだ。
各自二人ずつでペアになり、片方にソフトを入れ、ワイヤレス通信で勝負を行うとする。
だから、ひとつのゲームを同時に二つのペアが行うことはできない。
それぞれのゲームで総当たり戦を行い、最終的な勝利数が一番多かった者を優勝とする。
ずっと同じ相手だったら飽きるだろうから、一戦ごとにペアを組みかえる。
少々複雑になるが、俺がもう対戦する順番を表にしてきているので問題ない。」

リョーマがその表を取り出して掲げてみせた。
その表には、『一回戦 1―3 ○○(ゲーム名) 2―4 △△』などと言ったことが延々と書かれている。四人での総当たりが四回あるから、3×4で、一人、十二戦することになる。

「後はくじ引きで、どの番号に誰が入るかを決めるだけだ。」

リョーマは、準備がいいな。

くじ引きのための割り箸も用意してある。

公正かつ俊敏に、取りまとめている。

あとは遊ぶだけだった。

「ああ、ちなみに一回戦ごとに最大三試合やる。
二回勝てばそいつの勝ちだ。」

リョーマが四つの割り箸を持ち、リョーマを除く三人で一斉に引いた。

僕は三番で、和也が二番、レミが四番だった。

リョーマは残る一番なのだろう。

一回戦目の対戦相手はリョーマか…

リョーマがレジ袋その一を開けて、ビニールシートを引いた。

「菓子も用意してきたから適当につまんどいてくれ。光太郎、じゃあさっそく始めるか。」

「わかった。」

僕はゲーム機をリョーマのそれに向けた。

しばらく通信していると、キャラ選択の画面が現れた。

僕は、そのゲームの原作で言う主人公のキャラを選んだ。

その後、リョーマが設定を確認してきて、リョーマの提案した設定を僕は了承した。

時間制限は∞、つまりどちらかのキャラのHPが尽きるまで戦い続ける、ということになった。

画面が切り替わった。

いいよいよ勝負だ。

リョーマは、主人公の裏の人格のキャラを選んでいた。

そのキャラは主人公に比べて攻撃力は勝るが、その割合より多く、体力に劣っている。

だから、キャラの選択の時点では僕が有利だった。

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