GAME
「ったく、四十分の遅刻だぞ。
まあ、目的には支障はないが。」

和也は一応反省しているようで、
「すまん」
と答えた。

和也はメガネをかけた少年で、身長は平均的な数値と比べて少し低い僕より更に少し低い。

ちなみに、四人の身長を比較すると、一番高いのがずば抜けてリョーマで、次が辛うじて僕。
その次がやはり辛うじて和也で、最後がレミだった。

リョーマを除く三人の身長はあまり差がない。

レミの身長の詳しい値は知らないが、見ている限りでは和也の方が少し高いように思われた。

和也の身長は身体測定の時に知った。

それから僕たちはリョーマの言う目的のために歩いた。

リョーマは近くのデパートの名前を挙げ、そこに行こうと言った。

和也が、どうしてそんなところに行くのか、と聞いたが、リョーマはじきに分るさ、とだけ答えた。

四人で昼食をとる必要はなかった。

昼食は各自で食べてくる、ということになっていたからだ。

四人で喋りながら歩いた。

僕は和也の遅れた理由を聞いた。

昨夜、新発売のゲームをやめられず、寝坊してしまった、と答えた。

リョーマは、和也らしいな、と笑った。

レミはほほ笑んだ。僕はこういう時間も好きだった。

やはり、四人でいるのはいい。誰かが欠けていてはだめだ。

ジュースの入っていた缶は、近くの自動販売機の隣の空き缶入れに入れておいた。

やがて、デパートについた。

駐車場には車がたくさん停まっていた。

僕たちは駐車場の中の横断歩道を、そこを横切る車が通り過ぎるのを待ってから渡って、自動ドアを通って店内に入った。

店内の温度はあのコンビニと比べて適当(プラスの意味で)だった。

「じゃあ各自、好きな所に行っておいてくれ。集合は一時間後くらいにここで。」

そういうわけなので、僕はこのデパートの二階にある本屋にやってきた。

和也はまだ昼食を済ませていなかったので、四階にある飲食店に向かった。レミは衣料品売り場にでも行ったのだろうか。

女子のことはよく分からない。

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