GAME
雑誌コーナーから、よく読む漫画雑誌を手にとって立ち読みした。

どうせ買うつもりだったが、一時間を潰さなければならなかったので、そうした。

家で読みたい一番好きな漫画はとっておいて、その他好きな漫画や読み切りなどをいくつか読み終えると、レジへ向かった。

財布にぴったりの小銭があったので、代金調度を支払った。

本屋を去って、ゲームコーナーに向かった。ゲームセンターではなく、ゲームを買うところ。

ゲームコーナーは二階にある。

和也は、まだご飯でいないだろうが、じきに来るだろう。

ゲームコーナーでは入口にゲームを試しにプレーできるところがあり、小学生くらいの子が何人かで遊んでいた。

中に入った。和也はやはりまだいなかった。

新作のコーナーに向かい、和也が昨日熱中していただろうゲームを予想して探してみた。


和也が昨日やっていたゲームの名前を、僕は聞かされていなかったのだ。

新作コーナーの商品の中に、前から和也がよく言っていた、聞き覚えのあるゲームを見つけた。それはアドベンチャゲームだった。

主人公やその仲間たちがみんなでワイワイするゲームのようだった。

僕はその世界観に少し、心惹かれた。

その時、僕の肩に手が置かれた。振り返ってみると、和也だった。

「お前もこのゲームに興味があるのか?」

日頃の布教の成果が出て嬉しいのだろうか、普段はテンションの低い和也にしては陽気な声で言った。

「まあ、なんか、おもしろそうだな、と思って。」

「そうか。おもしろいぞ。」

テンションは高いようだが、普段は低いので、テンションが高い時に何と言っていいか分からないらしく、返答がそのまんまだ。

「今日遅れたのってこれ?」

「まあな。
リョーマもやってるぞ、このゲーム。」

へぇ、リョーマもやっているのか。興味が沸いてきた。
「じゃあ、買うことにするよ。」

そのゲームのハードは持っているものだったので、プレーすることができる。

「ktkr」

「え?」

「いや、仲間が増えると思うと、嬉しくなっただけだ。」

「そう。」


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