GAME
デパートを出て、歩き始めてからだいぶん経った。
さすがに暑さが気になり始めてきて、汗を服で拭い、手で自分を扇いだ。
「ねぇまだぁ?」
レミも不平を漏らしている。
「そろそろだ。」
辺りはだんだんと田園風景が広がるようになっていき、山も見えてきた。
リョーマはその山を指さして言った。
「あれが、目的地だ。」
へぇ、そうなのか、って…
「えぇぇ!」
叫んだ。
レミも叫んでいる。
和也は、「ちょ、おま」とか言っている。
ちょっと、おまえ、っていうことなんだろう。って、なんて呑気に思っている暇はなかったんだった。
「え?そんなに意外か?お前ら山登りは嫌いか?」
リョーマがきょとんとして言う。
「えぇぇ!登るの?」
レミが叫ぶ。
僕も「えぇぇ!」の部分は一緒に叫んだ。
和也に至っては、
「mjdsk」
とか、よく分からないことを言っている。
「当然だ。この荷物もそのために買ったものだ。」
荷物を掲げて見せた。
「でも、こんな暑い中、山登りは酷じゃない?」
レミが言う。
「暑いから行くんじゃないか。
森林浴、きっと気持ちいいぞ。」
和也が、「おいおい、本気だぞ、こいつ」と呟いた。
そんなこんなで言い合いを続けていると、とうとう目的地に着いてしまった。
はあ、登るのか…
ここからは舗装された道が階段のようになって続いていて、その周りを森林が覆っていた。