お前は俺を好きになる～気になる女の子～
数秒の間の後、俺は我に返りハッとした。



「あっ、うっ」



正直な気持ちを言えば、彼女と話してみたかった。



けど、うまく言葉が出てきてはくれなくて、どうしてもどもってしまう。



不思議そうに見つめている日本人形ちゃんの視線。



その視線が眩し過ぎて、恥ずかしさをますます増加させてくれた。



「はいはいはい！あたし留美！ねぇ名前教えて！」



留美は聞かれた質問などお構い無しに、得意の暴走モードで走り出す。



そんな自分勝手な留美に圧倒されるのかと思いきや、彼女は物静かな見た目通りサラリと返事を返した。



「あたし佐々木真由。確か留美ちゃんと同じクラスだよね？隣の子は…何ちゃん？」



「あっ、あたしは…。聖。内田聖！」



「聖ちゃんね。クラスは？」



「真由ちゃんの隣で…Ｃ組…」



「あぁ隣なんだ。なんか目立つ子いるなぁとは思ってたけど隣なんて嬉しいかも」



近くで見る真由は目の下にホクロがあり、やけに落ち着いてて色気がある。



同じ年なのに、上なんじゃないかと錯覚を起こさせるほどのオーラ。



微かに真由から放たれる女っぽい匂いが、俺の鼻をかする。

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