お前は俺を好きになる~気になる女の子~
そんな俺を上から見下ろす歩。



その瞳はどこか同情染みてて「この人は可哀想な人」と物語っていた。



「なんかごめん。悪い事しちゃったみたい」



「なんも悪くねぇし。逆にありがとうな」



「あぁ…うん。もうすぐ授業始まるし、あたし席に戻るね」



腫れ物にさわるみたいな歩の言い方。



こんなの関わってきた奴らにガキん時からされてたし、慣れてるから痛くも痒くもない。



顔立ちがハッキリしていたせいで、冷たい印象を与えがちだったから口ではうまいことを言ってきても、周りは俺を避けがちだったからな…



つうかそれより…



俺には楽しみがあんだよ…



歩とのやりとりで無惨にも遮断された、真由への妄想タイム。



悲しいったら、チャイムを合図につかの間の休憩までもがものの数分で終わってしまった。



ーーったくなんだっつうの。俺の貴重な時間を返せってんだ。…でも。今日は真由が泊まりなんだよなぁ…ぷぷぷっ。隠れてAV見ててよかったかも



俺は歩が自分の席に戻ったのを確認してから体を机にねじ伏せ、再び妄想を開始させた。



授業中も真由の妄想にふけり、興奮の嵐で頭を埋め尽くす。



スカートに手を入れてる絵ずらや、唇が重なる寸前の絵ずら。



あんないけない動きに、喘ぎそうな真由。



端から見れば、俺が気持ち悪く笑っていたのは言うまでもないだろう…
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