お前は俺を好きになる~気になる女の子~
子供の時、周りを取り囲む大人達にいつもいつも「可愛い」「美人になる」と褒められ続けていた俺。
きっとそれは女の子にとって、最高の褒め言葉だろう。
が、俺にとってその言葉の存在がどれだけ苦しいものだったかみんなにはわからない…
目は幅広の線がハッキリ入った、大きめの二重。
鼻筋が通り、顔立ちはスッとしている。
生まれつき色白だったし、同学年の子に比べ背が高めだったから、見た目は上の上の方だったと思う。
「ねぇ、聖ちゃん。ナプキン持ってない?」
「ナプキン?あぁ…忘れてきたからないや。ごめん」
朝学校が始まれば、こんな会話が女子の間で当たり前のように交わされる。
自分の体は女。
だから、彼女の言いたい事はわかる。
わかるけど、正直俺にそんな女染みたもんを求めないで欲しい。
なんかよくわからないが、この会話に気持ち悪ささえ感じてしまう。
「あ~持ってないか。さっき突然生理きちゃってヤバくてさ。他の子にも聞いてみるね。ありがとう」
そう言い去っていった優(ゆう)ちゃん。
体からは、おろしたての柔軟剤の甘い匂いが感じられた。
机に頬杖を付き、遠ざかって行く優ちゃんの姿をつい目で追いかけてしまう自分。
最近、やたら女の子の匂いが気になる。
男は体育が終われば汗臭く、俺の鼻について全く好みじゃない。
女の子は柔らかい、いい匂いがするから後ろから抱きしめたくなる瞬間がある。
微かに香る女の子臭は、いつ嗅いでも俺の心を踊らせてくれるんだ。
中学三年の冬。
受験を間近に控えた身分のくせ、俺は女の尻ばかりを追いかけていた。
気になる人間人間が男ではなく「女」ばかり。
自分の体は「女」なのに心は「男」。
そんな自分に戸惑いを感じてはいたが、みんなそんなもんなんだろうと始めは思っていたんだ。
きっとそれは女の子にとって、最高の褒め言葉だろう。
が、俺にとってその言葉の存在がどれだけ苦しいものだったかみんなにはわからない…
目は幅広の線がハッキリ入った、大きめの二重。
鼻筋が通り、顔立ちはスッとしている。
生まれつき色白だったし、同学年の子に比べ背が高めだったから、見た目は上の上の方だったと思う。
「ねぇ、聖ちゃん。ナプキン持ってない?」
「ナプキン?あぁ…忘れてきたからないや。ごめん」
朝学校が始まれば、こんな会話が女子の間で当たり前のように交わされる。
自分の体は女。
だから、彼女の言いたい事はわかる。
わかるけど、正直俺にそんな女染みたもんを求めないで欲しい。
なんかよくわからないが、この会話に気持ち悪ささえ感じてしまう。
「あ~持ってないか。さっき突然生理きちゃってヤバくてさ。他の子にも聞いてみるね。ありがとう」
そう言い去っていった優(ゆう)ちゃん。
体からは、おろしたての柔軟剤の甘い匂いが感じられた。
机に頬杖を付き、遠ざかって行く優ちゃんの姿をつい目で追いかけてしまう自分。
最近、やたら女の子の匂いが気になる。
男は体育が終われば汗臭く、俺の鼻について全く好みじゃない。
女の子は柔らかい、いい匂いがするから後ろから抱きしめたくなる瞬間がある。
微かに香る女の子臭は、いつ嗅いでも俺の心を踊らせてくれるんだ。
中学三年の冬。
受験を間近に控えた身分のくせ、俺は女の尻ばかりを追いかけていた。
気になる人間人間が男ではなく「女」ばかり。
自分の体は「女」なのに心は「男」。
そんな自分に戸惑いを感じてはいたが、みんなそんなもんなんだろうと始めは思っていたんだ。