お前は俺を好きになる~気になる女の子~
懸命に溢れる思いを吐き出した真由は、すがりつく眼差しでこっちを見てる。



関係ないのに巻き込まれてしまっている俺は、その眼差しを払いのけるなんてできない。



俺は真由を追いかけ、真由は秀明を追いかけ、秀明は俺に何かを期待している。



秀明か。



消えてしまえばいいのに…



「あ~ぁあ!ちょいまて!なんかややこしい会話で頭回んねぇ。とにかく時間はたっぷりあんだから焦んないでゆっくりしてから話そうよ。帰宅したばっかで疲れたし」



帰宅後、すぐさまエロ本で慌て、男だって本性はバレそうになり、極めつけは真由の彼氏騒動。



泊まりに来てくれたのは天地を揺るがす嬉しさだが、このハイペースで一日中振り回されたんじゃ俺は死んでしまう。



次、もっと衝撃的な話しなんかされた日にゃ頭がショートして、理性なんておかまいなしに真由を襲ってしまいそうだし…



とにかく休ませて欲しい。



身も心も…



俺から答えになってない答えを言われた真由は、膨れっ面をかましてる。



プニプニほっぺに食い込むエクボの上には、露骨に吊り上がったキツイ目。



無理もない。



聞きたかった本題が目前でストップされてしまったのだから。



でも思考回路が繋がんないのは繋がんない。



俺は何も言わず立ち上がり、タンスからスエットを二着取り出して白いスエットを真由にほおり投げた。



するとスエットを手に、真由は「えっ?」って顔をしてる。



「何?これ着ろって?」



「落ち着くにはスエットが一番。下からジュース持ってくっからその間着替えてなよ。なっ」



「………」



「真ぁ~由」



「…ごめんね。興奮して止まらなくなってた…」



「バァ~カ。ほれいいから着替えろ」


「ありがとう…」
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