お前は俺を好きになる~気になる女の子~
興奮気味に真由は会話してきたが、誰が誰と結婚したっていい。



俺には関係ない。



それより何より真由の下着姿、たまんなかったな…



結果的に「聖」って人間はスケベの塊だと証明されてしまったが、男なんだから仕方ない。



興味のない女ですら体を露出したらヨダレものなのに、好きな女の体を目の当たりにして、平然としてられる奴の方が異常だ。



真由を意識し過ぎてしまって目線がどこかおごつかない俺は、気を違う方向に向ける為、お菓子を大量に口へほうり込み、ハムスター並に頬を膨らませた。



「ねぇ聞いてる?」



「…シャクシャク」



「聞いてる!?」



「んくっ。めっさ食ってんらから邪魔ふんなよ!」



話したくて話したくて声を出す真由。



しかし、口がもごついてその期待にこたえられそうにない。



いや。



本当はそれだけじゃない。



考えたくないんだよ。



これから迫りくる夜に、真由の彼氏の話もしたくない…



自分勝手な奴だって自覚はしてるけど、どうしてもそこから話す気になれなかった俺。



逃げるのはずるい手段でも、これ以上口を滑らせ真由を傷つけるなんてしたくなかった。



口に含んでいたお菓子を強引に一飲みし、黒いスエットを握りしめた俺は「ちょいすっきりしたいからシャワー浴びてくるわ」と言い、真由の返事も聞かず真由を一人部屋に残して風呂場へと向かった。
< 29 / 30 >

この作品をシェア

pagetop