お前は俺を好きになる~気になる女の子~
同性との違和感やすれ違い。



それを強く感じたのは無事高校に受かり、新しい制服に身を包んだ春の日の事だった。



季節通り桜は咲き乱れ、可憐なピンクのジュータンが空一面を埋め尽くす。



俺達を祝福してるみたいな暖かな陽射しは、やけに春を感じたさせてくれてた。



そんな春の日。



俺は君に出逢い、違和感を確信に変えたのかもしれないね…



入学式がとり行われた体育館には、知らない顔が点々と立ち並ぶ。



みな目を輝かせ、どいつもこいつも未来に期待した表情を浮かべている。



黒髪が艶々して清潔感たっぷりな野郎から、いかにも勉強しに来ました的なマジメオーラ全開のメガネっ子まで勢揃いのこの空間。



それにひきかえ、入学早々茶髪にピアス。



すでにちょっと変形させた学生服を身にまとった俺は、奴らと人種が違い過ぎるのは一目瞭然だった。



ーーうぜぇ…馬鹿かコイツら。つか場違い?



俺が周りを見渡し、選んだ高校は選択ミスだったと一人落胆していた時、後方から軽く肩を叩かれとっさに後ろを振り向いた。



後ろに立っていた奴。



そいつはちょっと似た空気を纏い、生意気な部類に入る同じ中学出身の留美(るみ)だった。

「おぉ、びびったぁ~お前は心臓に悪い奴だな」



「聖ちゃ~ん。あんた相変わず愛想のない奴だよねぇ~」



周りを気にして小声で話す、二人だけの久しぶりの会話。



前ばかり気にして見ていたから、後ろにいた留美など全く目に入らなかった。



と言うか、中学時代からガラリイメージが変わった留美の茶髪と化粧姿。



見れば見るなり入学早々いきなり高校デビューか?と突っ込みたくなる。
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