私が副担任を振り向かせるまで
アタシは溜め息を一つして,自力で立ち上がり
もう一度だけ彼を見ると足元に光る物を見つけた。

「足元にあるの眼鏡じゃないんですかァ??」

とスカートを叩きながら
言うと,

「えっ!? あぁッ!
本当だ!! こんな近くに
あったなんて。 有難…。」

グシャ。 …ペキッ。

光る物は彼の言葉を
遮って嫌な音を出した。

彼は自分の眼鏡を
自分で踏ん付けていた。

この人,本当に馬鹿だァー!
そして,眼鏡の割れた音と同時に本鈴も鳴った。

♪キーン コーン カーン コーン…

こんな人に構ってた
アタシも馬鹿だァーッ!!!

二人で朝から
途方に暮れましたとさ。
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