理想と現実の間に
理想の男
「今日未明、○○さんと思われる人物が…」



テレビから流れる音は、大体は聞き流す程度だが


たまに脳みそをかすったかと思えば残虐なニュースばかり。



はぁ〜…
なんかいいことないかなぁ〜…




最近口を開けばそればかりのような気がする。



友達の里沙とカラオケでも行こう



と誘おうかとも迷ったが、こんな田舎じゃあ
地元のカラオケボックスなんてそうそう行く気にもならない。



リビングのソファーにだらしなく腰掛け、脚をパタパタ開閉させながら
鳴らない携帯をいじっていた。



時刻は20時57分―



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