理想と現実の間に
それから次々と話題にあがる話は
大半が悪戯をして成功したというもの‥‥‥
「授業中に、知らない奴の席から先生に紙くず投げてさ、速攻自分の席に戻ったり!
滑りよくするために、内履きは脱いでおく(笑)」
「あーあと、他校の校内にチャリで乗り込んだこともあったなぁ‥ガキんときだけど。」
中学生の頃から今に至るまで…
一体、どんな生き方をしてきたんだか…‥
さぞ、剛の両親は‥
「高校時代、母親3日に1回は学校に来てたな。」
「だろうね‥よく退学にならなかったね…」
「停学はひたすらなったよ。だから毎回退学ギリギリだった。むしろ退学が当たり前ぐらいだったけどな‥けど…」
「けど?」
急に柔らかい表情になった剛にドキッとしながら聞き返す
「まっつんって呼ばれてた担任がいてさ、そいつがブチ切れると最高に怖いんだけど、なんでか俺には優しくて…
学校に遅刻で行っても、毎回、よく来たなぁって言ってくれんだよ。」
「へぇすごい先生だね。剛の事、理解しようとしてくれてたんじゃない?」
「あぁ。まっつんがいなかったら、俺は完全に卒業なんて無理だったよ」