理想と現実の間に
「卒業後はどうしたの?」
こんなタイミングの時にしか深い話は聞けない気がして、次々に質問をしてみる。
剛は、煙草を灰皿に押し付け、缶コーヒーをぐいっと飲みきってから話してくれた。
「母親がどうしてもデザインの学校に行けって。俺は絶対嫌だっつったんだけど、すげぇ説得された。」
「うわぁ、じゃあ今の剛があるのはお母さんのおかげだねっ!行ってよかったでしょ?」
「今となってはな。なんか占い師に言われたらしいぞ。あなたの子供はデザイン関係の仕事が向いていますって」
剛の悪態に悩んでいたお母さんが、有名な占い師を訪ねた時に言われたらしい。
よっぽど‥
よっぽど悩んでいたんですね…
剛‥お母さんに感謝しなきゃね