理想と現実の間に




“今から店行くから”

次のメールが入ってきたのはそれから15分くらいしてからの事。



私ももう殆ど落ち着いていて、僅かな緊張感だけを残していた。



REARに着くと、剛は既に店の前に立っている



相変わらずマフラーを鼻の上まで巻いて、寒そうに腕組みをしている。



「よぉ」

遅くなった事はもう既に気にはしていない様子‥

大体分かってきた剛の扱い方…



これを気にしていては一緒にいられない



「わりぃけど、おまえの車でいい?」



「うん?いいよ?」



剛が私の小さな車に乗りこむ



フワッと香る

剛のいつもの香水の匂い


ドキッとしてしまう…



この香りは剛で

剛の香りはこれで




ん…!?



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