理想と現実の間に
「あっここに車とめて」
言われるがままに車をとめる。
何も言わずに車を降りる剛に慌ててついていく
周囲は当たり前に静まり返っていて
月明かりに照らされながら歩く私達2人の足音がやけに響く。
50メートルくらい歩くと、立ち止まった剛が振り返る
「ここ俺んち」
「へっ!?剛んち?」
見上げた家は、真っ白の外壁が夜の暗闇に浮かんで見えて
隣には車庫に入りきらない剛のアメ車が停まっている。
ほんとだ…
スタスタと玄関に向かう剛を見つめながら
あのぉご‥両親は??
…いいのかな?
ドキドキと加速していく鼓動を感じながら
剛の後についてゆく