理想と現実の間に




キャンドルの灯りが

より剛の表情を柔らかくみせる


「まっつんに言われた。卒業だけは卒業だけは絶対にしろ!って‥
そん時はたいして意味分かんなかったけど、今になってスゲー感謝してる‥」



「うん」



「今まで全く努力なんてしてこなかったから、卒業したら努力しようって決めた!だから今いちお精一杯やってんだよね」


俯き、何かを思い出すようにゆっくり話す剛。



そんな剛が愛おしく思えて…

強く儚く見えて…



思わず手を伸ばしていた


掴んでしまった剛の腕


「剛は、今でも十分カッコイイ人間だよ?
でも、もっともっと大きくなって、それで‥まっつんに会いに行けたらもう一流だね?」


そう言って笑ったら、剛も柔らかく笑った

「あぁ。それを目指してる」



それだけ言って、時計を確認する剛


「もぅ寝るか」





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