理想と現実の間に






「…カリンって子は、付き合いたいって言わなかったのかな?」



剛よりも、私と同じ心境だったかもしれないカリンのほうが気になってしまう。




「それは勿論言ってたみたいよ?けど、剛さんのほうが受け入れなかったみたい。彼女は仕事の邪魔になるんだってさ…」



その答えは
聞かなくてもなんとなく分かった。



だから



あの日から3日経った今でも



剛との関係は以前と何も変わってなんかないし

変える事は出来ないことを私は頭で分かってる。



分かっていて
身体を許したから。



仕事だけしか考えてないような眼差し

自分が目指すものだけを見ている瞳


そんなあなただから好きになった。




そんな私だったから



きっと剛も私を求めた



それ以上は

ない





< 154 / 191 >

この作品をシェア

pagetop