理想と現実の間に





『剛。じゃあさ、少しだけ時間ちょうだい!そしたら忘れるから。』




やっぱり
この想いを、明日から切り替えるなんて無理だから



少しでいいはず



また剛と逢えるなら



少しでいい…。




『ああ。分かった。』



いつも通り淡白な返事だけど

いつもより優しい声だ



『じゃあ』


そう言ってお互い電話を切った。








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