理想と現実の間に



その日は寒かったこともあってか、




剛は真っ黒のスウェットのズボンにパーカーを着ていて、



フードをかぶり、
ネックウォーマーを鼻まで覆っている状態



全体的に真っ黒で、
見えているのは異様に鋭く大きな目だけだった。



それでも綺麗な顔をしていることはすぐに分かった




剛の顔さえも彫刻の芸術のような。




室内に広がる不思議な香りと共に



剛の存在さえも不思議に感じる空間。




香りに惑わされてしまっているのか



剛の存在に惑わされてしまっているのか



きっと、隣にいる里沙も同じ事を感じているだろう雰囲気だった。





< 20 / 191 >

この作品をシェア

pagetop