理想と現実の間に
激安のファミレスとだけあって、周囲は若者だらけ。
煙草をふかしながらドリンクバーのみで居座るギャルやギャル男。
参考書や辞書なんかを広げて勉強に打ち込む大学生。
上下スウェットで片足をいすの上に立て、携帯をひたすらいじっている数人の女の子達。
それぞれの人間ドラマがぶつかり合い
店内はザワザワと賑やかで、むしろ静かなお客さんに迷惑なんじゃないかってくらいだ。
「えーっとカツカレー」剛が注目を始めていた。
「生姜焼き定食〜」
「じゃあハンバーグセット」
「私も同じで」
それぞれに注文し終わり、何を話したらいいかも分からず、少しぎこちない空気。