理想と現実の間に



「どういう意味かな?」

里沙が尋ねてくる。


「…映画?だったり‥しない‥かな?」

ないよね〜!剛が誘ってくるなんて想像つかないもんっ


って後に続けようとしたけど、鵜呑みにした里沙のテンションは、既に下げようがない状態…



「確かに!!三国志観てないのあんたら2人だけだったし、剛さんやたら興味ありげだったもんねぇ〜」



キャッキャとはしゃぐ里沙を横目に


なんて返そう?

暇だよって言っちゃいたい素直な自分もいて


夕方からならって余裕を持った女を演じたい
天の邪鬼な自分もいて


今まで‘計算恋愛’してきた私は


そこにいる存在に戸惑い

計算してどうにかなる相手ではないと気付き始めていた。






< 70 / 191 >

この作品をシェア

pagetop