理想と現実の間に
「どういう意味かな?」
里沙が尋ねてくる。
「…映画?だったり‥しない‥かな?」
ないよね〜!剛が誘ってくるなんて想像つかないもんっ
って後に続けようとしたけど、鵜呑みにした里沙のテンションは、既に下げようがない状態…
「確かに!!三国志観てないのあんたら2人だけだったし、剛さんやたら興味ありげだったもんねぇ〜」
キャッキャとはしゃぐ里沙を横目に
なんて返そう?
暇だよって言っちゃいたい素直な自分もいて
夕方からならって余裕を持った女を演じたい
天の邪鬼な自分もいて
今まで‘計算恋愛’してきた私は
そこにいる存在に戸惑い
計算してどうにかなる相手ではないと気付き始めていた。