理想と現実の間に




私達は映画館を出て、剛の取引先だったという和食のお店に向かった。



離れた駐車場に車を停め、少し歩いた


もう全て葉を落とした木々が両側に立ち並ぶ並木道、落ち着いた街並みで、
晴れた日中に散歩なんてしたら最高だろうなとトボトボ歩きながら考えていた。



「あっここ」


並木道から少しそれた場所に店はあった。



外観から既に「和」の雰囲気はしっかり出ていて

剛がデザインしたという店の名が書かれた、大きな布地の看板が掛けられていた。







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