王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
涙の理由―隼人side―
――隼人(はやと)side――
「つーか、あの子今日もここ通らなかったんだけど!」
愛川未来。
校内で一、二を争うほど男から絶大な人気を誇っている女。
噂などに疎い俺にさえそんな奴の噂話は耳に入る。
「あの子狙ってたのになぁ」
口から白い煙を吐き出しながら、亮は残念そうに呟いた。
『あの子、すげぇ可愛くね?』
あの女を知るキッカケは、亮のそんな何気ない一言だった。
「今日、愛川未来と喋った」
「……って、マジかよ?!すげぇ羨ましいんだけど!!やっぱ同じ学校だといいよなぁ〜」
「喋ったって程でもないけどな」
「俺もお前と同じ学校に入ればよかったわ」
亮は羨ましそうな目で俺を見ると、持っていた空き缶を灰皿代わりに火を消した。