王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「……隼人……どうしたの?」
隼人の胸の中にスッポリと包み込まれるあたし。
驚いて隼人を見上げると、隼人は正面を見つめて何かを睨みつけていた。
その表情は怒りに満ちていて。
「やっぱお前……バカ女じゃん」
「バ、バ、バカ?!」
どうしてバカ呼ばわりされなきゃいけないのよ!!
「バカどころじゃねぇよ。大バカだ」
そんな憎たらしいことを言う隼人の目はどこか寂しそうで。
その瞳が何を捕えているのか、この時のあたしには知る由もなかった。
「予定変更」
隼人は体を離すと、ギュッとあたしの腕を掴んで歩き出した。