王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
夕方になると、毎日のようにこの駅前を男と一緒に手を繋ぎながら歩く女がいた。
いつも満面の笑みを浮かべて、彼氏と思われる男に寄り添そっていた。
それがここ数カ月、その女……
愛川未来はいくら待っても現れなかった。
「お前さ、女なんて周りに腐るほどいるんだし、別にあの女一人落とせなくても別に問題なくね?」
「いやいや!彼氏持ちの子を自分のものにするってのがいいんじゃん!!」
「……ハァ?」
「なんかさ、人のものって欲しくならない?」
「……死ね」
俺は呆れながらそう呟いた後、何気なく正面を歩くカップルに目をやった。