王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「……絶対に俺の後ろから動くなよ」
「……うん」
俺は心配そうな表情の未来を自分の背中に隠して、男達を睨みつけた。
「高校生相手に三対一かよ。情けねぇな。お前らいくつだよ?」
「強がってられんのも今のうちだけだぞ?でも俺は優しいからよ。今すぐ土下座して謝れば許してやるよ」
真ん中の一番体格の良い男が薄ら笑いを浮かべる。
歯抜けの笑顔ほど滑稽なものはない。
「どうすんだ?土下座すんのか?それともここで俺達にボコボコにされたいか?」
土下座するかボコボコにされるか、どっちか選べって?
そんなの……
「……土下座」
「する気になったか?」
「……――なんてするわけねぇだろーが!!」
俺は真ん中の歯抜け男の頬を殴りつけた。
三対一。
一番強そうで、めんどくさそうな奴から。
それが無難な戦い方。
でも今日は未来が一緒だ。
未来に危害が加わることだけは絶対に避けたい。