王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「……――走れ!!」
俺は男達が怯(ひる)んでいる隙に、未来の腕を掴んで走り出した。
逃げるが勝ち。
喧嘩売られて逃げるなんて男として最低かもしれない。
弱虫だと思われるかもしれない。
でも、今やるべきことは自分のプライドを守ることではなく未来を守ることで。
「隼人……あたし……もうダメ……」
ゼェゼェと苦しそうに息をする未来に気が付き、俺は周りを確認して足を止めた。
「大丈夫か?」
その場で膝に手を付き、ハァハァと肩で息をしながら呼吸を整えている未来。
「……もう大丈夫」
額に薄らと汗をかいた未来がゆっくりと顔を上げた時、俺はハッとした。