王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜


全ての授業が終わり、ミホに別れを告げると教室を出た。


今日一日、授業の内容が全く頭に入らなかった。


憂うつな気持ちを抱えながら、校庭の脇を通って校門を目指す。



「……裕……」


校門の前に止まっている一台の黒い車。


3か月前まで、あの車でよくドライブに連れていってもらったな。


そんなことを冷静に考えてるなんて、あたしどうかしてる。


「裕!」と叫んで、車に駆け寄って。


3カ月ぶりの再会に胸をトキめかせているはずだったのに。




距離が縮まるにつれて、運転席に座る裕の姿が大きくなる。


あんなに楽しみにしていたのに。


あんなに心を躍らせていたのに。


あんなに裕が大好きだったのに。


どうして、隼人の姿が頭から離れないんだろう。


『俺、お前が好き』


そう言った時の強気な目。


『じゃあな』


そう言って去っていく時のどこか寂しそうな目。



どうして隼人のことばっかり考えちゃうんだろう。
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