王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
ほどなくしてラーメン屋の駐車場に着き、あたし達は湯気の立ちこめる店内に足を踏み入れた。
「このお店来たことあるの?」
「一回だけね。俺、醤油ラーメンにするけど未来は?」
席に座ると同時に、そう尋ねられて思わず口ごもる。
このお店には何種類かのラーメンがあるようだ。
醤油、味噌、塩……初めてきたお店だし、ゆっくりと選びたい。
だけど、選んでいる余地はなさそう。
裕は「まだ?」と言わんばかりにあたしの顔をジーッと見つめている。
「えっと……、あたしも醤油にしようかな?」
あたしがそう答えると、裕は片手を上げて店員を呼んだ。
「注文しといて?俺、大学の先輩に電話しないとだからさ」
「え?後でじゃダメなの?」
「急用だからさ」
裕はそう言うと、携帯片手に席を立った。
「……もっと早く言ってくれればゆっくり選べたのに」
内心ムッとしながらも、あたしは二人分の醤油ラーメンを頼んだ。