王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜

「ったく。何であそこいつ来ても会計遅いんだろ。もう5回以上来てるけど、いつも会計で待たされるんだよなぁ」


車に乗り込みながら呟いた裕の言葉をあたしは聞き逃さなかった。


「ねぇ、裕?このお店一回しか来たことないって言ってなかった?」


「俺そんなこと言ったっけ?あー……でも、確かに後輩と何回か来たことあるな。ほら、さっき電話してた奴と」


「さっきの電話は先輩とじゃなかったの?」


「俺、先輩って言った?違う違う。後輩だよ」


涼しい表情で微笑む裕を見て、あたしは何かが胸の中でくすぶるのを感じた。



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