王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜

「なんか飲む？」


「あ……うん。ありがとう」


結局、強引に誘う裕に丸め込まれて部屋にあがってしまった。


『せっかく来たんだし、お茶くらい飲んでいってよ』


それを断ることが出来なかったあたしもあたしだ。


「はい。未来ってコーヒー好きだったよね？しかもブラック。高校生でブラックなんて大人だよな」


ホットコーヒーの入ったマグカップをテーブルの上に置いて、ニコッと満足そうな表情の裕。


裕はあたしと誰かを勘違いしてる。


コーヒーはあたしがもっとも苦手とする飲み物だった。


「……ありがとう」


仕方なくコーヒーを口に含むと、苦みが口いっぱいに広がり思わず顔を歪めた。