王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「ごめんごめん。先輩しつこくてさ……って未来?!どうした??」
部屋に戻ってきた裕はあたしの涙に気付いて驚きの表情を浮かべた。
あんなに大好きだったのに。
あたしはずっと裕だけを想っていたのに。
それなのに裕は……
「……ごめん。あたし、帰るね?」
「え?なんで??」
「……ごめん」
首を傾げてあたしの顔を覗き込む裕。
そんな目であたしを見ないで。
もう、騙されないから。
「……送らなくていいから。一人で帰れる。じゃあね」
「でも、未来泣いてるじゃん?何かあったらちゃんと話して?」
怒りと悲しみと悔しさ。
色んな感情がごちゃ混ぜになって胸が締め付けられる。
「……もうあたしに構わないで」
喉の奥から言葉を絞り出して鞄を手に取った瞬間、
「そんな簡単に帰すわけないじゃん」
「……やっ……――!!」
裕は口の端をクイッと持ち上げると、あたしの腕を強引に引っ張った。