王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「……もういい!!二度とあたしに関わらないで!!」
ギュッと唇を噛み締めて鼻血を垂らす裕から目を反らす。
……あたし、好きだったんだよ?
裕が好きで好きでたまらなかったんだよ?
だけど、もう吹っ切れた。
ようやく許してもらえたと、目の前にいる裕はホッとした表情を浮かべている。
今の姿が本当の裕なんだ。
あたしはこんな男と一年間も一緒にいたのか。
そう思うと、情けなさと悔しさが同時に押し寄せてきて胸が苦しくなる。
「お前、そんな簡単にこいつ許していいのか?」
「うん……もういいの」
隼人は未だに裕を睨みつけて怒りを露わにしている。
「……未来、もう行こうか?」
「……うん」
あたしはミホに体を支えられながら、思い出の詰まった裕のアパートを後にした。