王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
君が愛しい―隼人side―
――隼人side――
「ほら」
「ありがとう」
部屋に入ってからソワソワと落ち着かない様子の未来にココアの入ったカップを差し出す。
未来はゆっくりとカップを口に運んだ。
「少しは落ち着いたか?」
「あ……うん」
「……ちょっと貸せ」
未来の表情に疑問を感じて、持っているカップを奪いココアを口に含む。
「マズっ……なんだこれ」
明らかに味が薄くて、飲み物とは呼べない代物に俺は思わず顔を歪めた。
「これ、隼人が作ってくれたの?」
「あぁ。お湯の中に粉末入れた」
「あ……牛乳とかで作ればもっとよかったのかも。でも、これでも十分美味しいよ?」
未来は俺からカップを受け取ると、再び口に運んだ。