王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
その姿を見た瞬間、さっき感じた胸のモヤモヤがより濃くなった気がした。
「何でこんなとこにいるんだよ。早く家帰れ」
「……今から帰ろうとしてたの」
愛川未来は反抗的な目を俺に向ける。
でも、目の端にキラッと光ったものを俺は見落とさなかった。
「もう21時だぞ?女一人でこんな繁華街フラフラしてんじゃねぇよ」
「……あなたには関係ないでしょ!ほっといて!!」
愛川未来はそう叫ぶと、俺達に背中を向けて勢いよく走り出した。
「……怒らせんなよ!あの子、逃げちゃったじゃん!」
愛川未来の姿はすぐに人混みに紛れてしまった。
亮はガックリと肩を落として俺にブーブーと文句を言う。
でも今は亮を構っている時間はない。
「俺、あいつ追いかけるわ」
「は?お前、抜けがけかよ!!」
「悪ぃな」
俺は引き止める亮を無視して、愛川未来を必死で追いかけた。