王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「……っ……。うぅ……」
「気が済むまで泣け。ずっと傍にいるから」
一度流れだした涙は止まる気配がない。
呼吸が苦しくなって何度もむせる。
その度に、隼人は大きな手の平であたしの背中をさすってくれた。
「もう大丈夫だから」
隼人の言葉が胸の中に温かく浸透していく。
「……隼人、ありがとう。本当に……ありがとう……」
隼人の優しさが嬉しかった。
温かかった。
冷え切った心に灯がともっていくような気がした。
隼人の大きな腕に抱かれながら、あたしはこの夜一生分の涙を使い果たす勢いで泣き続けた。
裕との思い出も
今日の出来事も
その全てを涙で流し去ってしまいたい。
その一心で……。